荒島岳
Mt.Arashima荒島岳(あらしまだけ)は、福井県大野市にある標高1,523mの山である。別名大野富士(おおのふじ)。日本百名山および新日本百名山選定されている。白山と同様に泰澄が開山したと伝えられる。山頂には荒島神社があり、信仰の山とされてきた。山域は奥越高原県立自然公園区域に指定されている。
火山・地形
約2000万年前、日本列島がアジア大陸から分離する頃、荒島岳の位置に巨大カルデラ火山があった。そのカルデラ火山が、長い年月の間に浸食をうけた。その残骸(コールドロンと呼ばれる)が荒島岳である。南側の九頭竜川支流の荒島谷川は深い谷で、「まぼろしの大垂(おおたる)」と呼ばれる落差60mの福井県で最大規模の滝がある。
山名の由来
平安時代の905年(延喜5年)に編纂された延喜式において、阿羅志摩我多気(あらしまがたけ)と記載されているのが山名の初見である。現時点では、山名の由来を説明する確たる説はない。
登山
日本百名山に選定されているため、福井県外から訪れる登山者も多い。各方面からの登山道があり、勝原からの登山道がよく利用されている。山頂からは白山などの360度の展望が得られる。春先に登山道脇ではイワウチワ、カタクリ、シャクナゲなどの花が見られる。荒島岳の山開きの「芽吹祭」は、例年5月上旬の日曜日に開催されている。 山頂から南斜面には、小規模ながらお花畑が見られ、ハクサンフウロ、タカネマツムシソウ、カライトソウ、コバイケイソウ、クガイソウ、 シモツケソウ、タテヤマウツボグサ、リョウハクトリカブト、シオガマギク等が咲き誇り、アサギマダラが飛び交う。
勝原からのコース
JR西日本越美北線勝原駅から国道158号沿いの勝原スキー場を経由し、ブナ林の急な尾根の先に「シャクナゲ平」と呼ばれるピーク(標高1,204m)があり、多方面からの登山道と合流する。その南東方向の尾根には「もちがかべ」と呼ばれる急斜面があり、その先の山頂には一等三角点と荒島大権現の神社がある。
中出からのコース
北西の中出集落からの林道先で、「みずごう」と呼ばれる慈水観音に湧水がある。稜線の先には小荒島岳(標高1,186m)があり、その先のシャクナゲ平で多方面からの登山道と合流する。
佐開からのコース
西の佐開の集落から荒島養魚場と鬼谷林道を経てシャクナゲ平に至るルートがある。
下山からのコース
南東の国道158号の下山から荒島谷川を渡り南西の稜線から山頂に至る難路のルートがあったが、荒廃が進んでおり通行困難な状態である。
地理
周辺の山
北側には両白山地の山々が連なる。南側には能郷白山などの越美山地の山々が連なる。
名称 | 標高(m) | 荒島岳からの 方角と距離(km) |
備考 |
---|---|---|---|
白山 | 2,702.17 | 北北東 28.9 | 日本百名山 |
野伏ヶ岳 | 1,674.28 | 北東 14.7 | 日本三百名山 |
経ヶ岳 | 1,625.20 | 北 12.6 | 日本三百名山 |
小荒島岳 | 1,186 | 北西 1.8 | |
荒島岳 | 1,523.49 | 0 | 日本百名山 |
能郷白山 | 1,617.33 | 南南西 20.7 | 日本二百名山 |
源流の河川
日本海へと流れる九頭竜川水系の支流の源流部にある。北側に九頭竜川が流れ、西側にその支流の真名川が流れる。南山腹を荒島谷川が流れ、山頂から1.4km南に「まぼろしの大垂」の滝がある。山頂から5.7km西南西に真名川ダムがある。山頂から9.3km南東に九頭竜ダムがある。
アクセス
最寄駅はJR西日本越美北線勝原駅である。最寄インターチェンジは北陸自動車道福井インターチェンジである。北側の山麓を国道158号が、西側の山麓を国道157号が通る。