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霧島山

Mt.Kirishima
霧島山

※ 画像はwikipediaより引用

名称 霧島山
よみ きりしまやま
所在地 宮崎県 鹿児島県
標高 1,700m(韓国岳)
種別 成層火山
活火山ランクB・常時観測火山
分類 日本百名山
花の百名山
新・花の百名山

霧島山(きりしまやま)は、九州南部の宮崎県と鹿児島県県境付近に広がる火山群の総称であり、霧島連山、霧島連峰、霧島山地あるいは霧島火山群とも呼ばれる。最高峰の韓国岳(標高1,700m)と、霊峰高千穂峰(標高1,574m)の間や周辺に山々が連なって山塊を成している。

有史以降も噴火を繰り返す活火山(気象庁の活火山ランク付けはB)であり、特に新燃岳と御鉢では活発な火山活動が続いている。

地理

北海道の大雪山と同様に霧島山という固有の山はなく、個々の山岳はそれぞれ個別の名称で呼ばれる。山岳群に加えて大小の湖沼群を抱え、高千穂河原やえびの高原、霧島温泉郷などの観光地に恵まれる。山塊の中心部は霧島屋久国立公園(霧島地域)に指定されている。日本百名山、日本百景の一つであり、2010年9月にはジオパークの一つとして認定された。

北部は加久藤盆地、北東部は小林盆地、南東部は都城盆地、南部は高隈山地と姶良台地(シラス台地)、南西部は北薩火山群、北西部は肥薩火山群に隣接する。宮崎県えびの市、小林市、高原町、都城市、鹿児島県霧島市、湧水町にまたがる。

日本でも有数の多雨地域であり、年間降水量は4,500ミリメートル以上に達し、このうち約半分は6月から8月に集中している。霧島山の北東山麓は古くから馬の産地として知られており、薩摩藩も多くの牧場を所有していた。明治維新後も多くの国営牧場が設置され軍馬が産出された。第二次世界大戦後は民間に払い下げられ牛や豚による畜産が盛んな地域となっている。また、茶(鹿児島茶)の栽培も盛んである。

山岳・湖沼・観光地の一覧

名称 標高 備考
栗野岳 1,094m 霧島山の西端にある古い火山群
飯盛山 846m

蝦野岳(えびの岳)

1,292m 白鳥山の上に生じた側火山。
白鳥山 1,363m
えびの高原 蝦野岳、白鳥山、韓国岳に囲まれた高原。
白紫池 1,272m 白鳥山の火口湖。近年まで天然スケートリンクだった。
六観音御池 1,198m マール。
不動池 1,228m 濃い青色を呈する火口湖。
甑岳 1,301m 山頂部に平坦な湿原、山腹に針葉樹林を抱える火山。
韓国岳 1,700m 霧島山の最高峰。
硫黄山 1,310m 1768年(明和5年)の噴火によって形成された。
かつて硫黄の鉱山があった。
大浪池 1,239m 4万年前以前に活動した古い火口の跡。
霧島温泉郷 霧島山の南側斜面に散在する温泉群の総称。
琵琶池  
夷守岳 1,344m 生駒富士とも呼ばれる秀峰。
大幡池 1,230m  マール。
大幡山 1,353m
獅子戸岳 1,428m 姿が獅子が丸まったような形をしていることから。
新燃岳 1,421m 数回の噴火記録があり、御鉢と交互に噴火活動をする。
最近の噴火は2011年4月。
湯ノ谷岳
烏帽子岳 988m
矢岳 1,132m
龍王岳 1,175m
中岳 1,332m
高千穂河原 970m かつて霧島神宮があった場所。霧島山の登山拠点の一つ。
御鉢 1,408m 高千穂峰の側火山。多数の噴火記録があり、
最近の噴火は1923年。新燃岳と交互に噴火活動をする。
高千穂峰 1,574m 天孫降臨の地とされる霊峰。
二子石(二ツ石) 1,320m 高千穂峰の側火山。火口の地形は残っていない。
小池
御池 305m マール。

生物

日本本土最南端の高山地帯であり火山地帯でもあるという特徴的な地域のため、明治初期から昭和初期にかけて多くの植物学者が訪れた。このためキリシマエビネ、キリシマノガリヤス、キリシマスズなど多くの植物が霧島山で最初に同定されている。日本において霧島山を南限とする植物はカツラ、ヒノキ、ウラジロノキなど100種以上あるのに対して、霧島山を北限とする植物はツクシチドリとツクシヒメアリドウシランの2種のみである。霧島山にのみ自生する固有種として、ノカイドウやクモイコゴメグサなどがある。

植生分布は、最高峰の韓国岳山頂付近にミヤコザサやコツクバネウツギ、標高1,500メートル付近にススキやミヤマキリシマ、標高1,400メートル付近にヤシャブシやマイヅルソウ、標高1,200メートル付近にアカマツ、標高1,100メートル付近にモミやツガなどが多く見られる。特にミヤマキリシマは標高700メートル以上の日当たりの良い場所に広く分布する。

ホオジロ、アオゲラ、シカ等の野生動物が生息しており、国指定霧島鳥獣保護区(大規模生息地)に指定されている(面積11,364ha、うち特別保護地区1,884ha)。多様な生物が見られる貴重な場所として森林生物遺伝資源保存林にも指定されている。一方で、野生のシカが増えすぎ樹皮を食べられて立ち枯れする樹木も出るなど問題となっており、観光客が餌付けをしないよう呼びかけが行われている。

湖沼が多いため水鳥が多く見られる。最も多い種はマガモとカルガモであり、ヒヨドリとアトリも多い。ヒヨドリは春と秋に多く見られることから渡りの中継地になっていると考えられている。

地質

火山群は大まかに北西から南東の方向へ並ぶ傾向を示しており、大浪池や韓国岳などを含む北西部(韓国群)と高千穂峰や新燃岳などを含む南東部(高千穂群)に分けられる。地熱が豊富であり、霧島温泉郷などの温泉地に恵まれ大霧発電所では発電にも利用されている。硫化水素や二酸化炭素を噴出する噴気孔が散在する。「霧島火山群」として日本の地質百選に選定されている。

形成史

四万十層群と呼ばれる地層と、その上に重なっている第三紀火山岩が基盤となっている。30万年前に大噴火を起こした加久藤カルデラの南縁付近で火山活動が繰り返され、30万年前から15万年前にかけて安山岩または玄武岩から成る栗野岳、湯ノ谷岳、烏帽子岳、獅子戸岳、矢岳の古期霧島火山が形成された。

休止期間を経て10万年前から活動が再開し、古期霧島火山の上に新期霧島火山が重なるように形成された。白鳥山や蝦野岳などがつくられた後に活動は東西に分かれ、西部では大浪池、韓国岳、甑岳などが、東部では大幡山、夷守岳、二子石、中岳、新燃岳、高千穂峰などが形成されている。完新世に入ってからも大幡池や御池などの噴火があった。有史以降の噴火活動は御鉢と新燃岳に集中している。