日本百名山

間ノ岳

間ノ岳

間ノ岳(あいのだけ)は、山梨県と静岡県の県境にある標高3,190mの山です。北岳(3,193m)、農鳥岳(3,026m)と白峰三山を構成し、広い山頂と3,000m級の稜線展望が魅力です。一方、一般的な広河原起点でも北岳を越えて往復する長い行程となり、登山口から山頂までの標高差、山小屋の予約、下山バスまで含めた計画が欠かせません。このページでは、ルートの位置関係、難易度、2泊3日の組み立て、山小屋、アクセス、安全上の注意を登山計画向けに整理します。

山名間ノ岳(あいのだけ)
標高3,190m
所在地山梨県南アルプス市・静岡県静岡市
山域南アルプス(赤石山脈)・白峰三山
分類日本百名山、山梨百名山
難易度C(A〜Eの5段階)
体力度6(1〜10の10段階)
日程の目安2泊3日
評価対象ルート広河原から草すべり・北岳を経由する往復ルート

難易度・体力度の見方:上表は、広河原から草すべりを登り、北岳を越えて間ノ岳へ向かう往復ルートの評価です。公表値は標準コースタイム16.0時間、歩行距離19.1km、累積標高差は上り2,060m・下り2,060mです。休憩、宿泊、バス待ち時間は含めません。白峰三山縦走や塩見岳方面への縦走は距離・日数・交通条件が異なるため、この評価をそのまま当てはめないでください。

間ノ岳はどんな山?

白峰三山の中央に位置する間ノ岳は、北岳山荘側から中白根山を経て登ると、幅のある大きな稜線の先に山頂が現れます。市街地から山頂だけを日帰りで往復する山ではなく、広河原までの季節運行バスと山小屋泊を組み合わせるのが基本です。山頂からは北に北岳、南に西農鳥岳・農鳥岳、東寄りに富士山を望める一方、ガスの中では広い山頂部と分岐で方向を失いやすくなります。

最高点の標高3,190mは国土地理院と南アルプス市の案内で確認できます。奥穂高岳と同標高で日本第3位です。北岳と農鳥岳を結ぶ白峰三山縦走の要所であると同時に、三峰岳・熊ノ平方面から南アルプス主稜線をつなぐ長期縦走の分岐点でもあります。

季節別の見どころと計画上の注意

時期見どころ計画上の注意
6月下旬〜7月開山期の残雪景観と高山帯への移り変わり雪渓や凍結が残る年があります。装備は直前の山小屋・登山道情報で判断し、雪上歩行に不慣れなら時期をずらします。
7月下旬〜8月高山植物と長い稜線歩き午後の雷雨を避けるため早出を徹底します。強い日差し、脱水、混雑を見込み、水分と予約を確保します。
9月〜10月上旬澄んだ展望と秋色の山肌日照時間が短く、朝晩は氷点下になることがあります。防寒具と手袋を携行し、日没前の到着時刻を逆算します。
10月中旬以降初冬の静かな稜線小屋営業終了、降雪・凍結、バス終了が重なる時期です。夏山の延長ではなく、冬山装備・技術と撤退判断が必要です。

2026年の交通・山小屋情報

2026年10月14日確認:広河原へ通じる道路は、2026年6月26日から11月3日までマイカー規制中です。一般車は芦安駐車場または奈良田駐車場で路線バス・タクシーへ乗り換えます。甲府・竜王・芦安〜広河原線と奈良田〜広河原線は11月3日まで運行予定ですが、平日と土休日で時刻表が異なります。雨量規制に達するとバス・タクシーも通行できません。広河原〜北沢峠間は2026年度も運休し、徒歩通行もできません。

北岳山荘は宿泊・テント泊とも完全予約制です。秋は凍結と小屋の営業終了が近づくため、出発前に北岳山荘公式サイト、山梨交通の広河原線案内、山梨県の道路・マイカー規制情報を同じ日に確認してください。

主要ルート比較

ルート起点・終点特徴向いている計画
広河原・草すべり往復広河原発着白根御池小屋、草すべり、北岳、北岳山荘を経て間ノ岳へ。同じ登山口へ戻れる一方、北岳越えを含む長い往復です。初めて間ノ岳へ登る2泊3日。評価は難易度C・体力度6。
白峰三山縦走広河原→奈良田北岳・間ノ岳・農鳥岳を縦走し、大門沢から奈良田へ下ります。長い下りと登山口間の交通調整が必要です。稜線縦走経験があり、別々の登山口を使う計画。
南アルプス主稜線縦走広河原方面→間ノ岳→三峰岳・熊ノ平→塩見岳方面山小屋間が長い区間をつなぐ長期縦走です。天候悪化時の逃げ道が限られます。複数日の縦走経験、予備日、両側の交通計画を持つ登山者。

ルートの位置関係

北側・広河原

  • 広河原
  • 白根御池小屋
  • 草すべり
  • 北岳
  • 北岳山荘

中央・間ノ岳

  • 中白根山
  • 間ノ岳
  • 三峰岳分岐

南側・奈良田

  • 農鳥小屋
  • 西農鳥岳
  • 農鳥岳
  • 大門沢
  • 奈良田

広河原往復は北側から北岳を越えて同じ道を戻ります。白峰三山縦走は間ノ岳から南へ進んで奈良田へ下山します。塩見岳方面は間ノ岳付近から三峰岳・熊ノ平へ分かれる長期縦走で、白峰三山縦走とは下山先も必要日数も別です。

ルート別の難易度と注意点

広河原・草すべり往復

広河原から白根御池小屋へ上がり、草すべりの急登を経て北岳へ向かいます。北岳山頂の前後には岩混じりの急斜面があり、強風や濡れた岩では難度が上がります。北岳山荘から間ノ岳までは高所の稜線歩きが続き、往路で体力を使い切ると復路が厳しくなります。上表の難易度C・体力度6はこのルートだけの評価です。

白峰三山縦走

間ノ岳から農鳥小屋、西農鳥岳、農鳥岳へ進み、大門沢を奈良田へ下ります。展望のよい縦走ですが、大門沢の下りは長く、疲労時の転倒や沢の増水に注意が必要です。広河原と奈良田で登山口が異なるため、前後のバス時刻と最終便を先に固定してから宿泊地を決めます。

塩見岳方面への縦走

三峰岳・熊ノ平を経て塩見岳(3,052m)方面へつなぐルートは、山小屋間の距離、行動日数、補給、悪天候時の停滞をまとめて考える必要があります。間ノ岳単体の登頂計画より一段上の長期縦走です。予備日を設け、営業中の小屋と水場を日ごとに確認してください。

ルート技術面体力・行程主なリスク
広河原往復難易度C(指定評価)体力度6、2泊3日草すべりの急登、北岳前後、高所・強風、復路の疲労
白峰三山縦走指定評価を流用しない複数日。宿泊地と最終バスから逆算農鳥岳以南の長い下降、増水、別登山口への下山
塩見岳方面指定評価を流用しない長期縦走。予備日が必要小屋間の長さ、逃げ道の少なさ、補給不足

2泊3日のモデルプラン

日行程例計画のポイント
1日目広河原→白根御池小屋移動日の負担を抑え、翌朝の早出に備えます。残雪期は草すべり方面の状況を小屋で確認します。
2日目白根御池小屋→草すべり→北岳→北岳山荘→中白根山→間ノ岳→北岳山荘この計画の核心日です。間ノ岳往復に入る前に時刻、風、視界、体調を確認し、遅ければ北岳山荘で打ち切ります。
3日目北岳山荘→北岳→広河原北岳を越えて長く下ります。下山後のバス時刻に余裕を持たせ、濡れた岩と疲労時の転倒に注意します。

この日程は休憩時間や交通接続を固定したツアー日程ではありません。歩行速度、積雪、混雑、宿泊先の営業状況によって変わります。1日目に肩の小屋まで上がる組み方や、白峰三山を奈良田へ抜ける組み方もありますが、同じ「2泊3日」でも各日の負担は大きく異なります。

山小屋の選び方

山小屋位置と役割予約・確認
白根御池小屋広河原から草すべりへ向かう途中。初日の行程を短くする拠点。南アルプス市営。宿泊は事前予約が必要です。
北岳肩の小屋北岳北側、標高約3,000m。北岳登頂前後の宿泊候補。公式サイトで営業・予約・水の情報を確認します。
北岳山荘北岳と中白根山の鞍部、標高2,900m。間ノ岳往復の中心拠点。宿泊・テント泊とも完全予約制です。南アルプス市の案内と専用サイトを確認します。
農鳥小屋間ノ岳と西農鳥岳の鞍部、標高2,800m。白峰三山縦走の宿泊候補。営業形態が変わることがあります。公式サイトで最新情報を確認します。

稜線の水は天候や小屋の供給状況に左右されます。「小屋で必ず補給できる」と決めつけず、予約時と出発直前に販売・給水状況を確認してください。営業期間外の避難スペースは、トイレや水が使えない場合があります。

登山口へのアクセスと駐車場

芦安・甲府方面から広河原

マイカーは芦安地区の指定駐車場に置き、路線バスまたは乗合タクシーで広河原へ入ります。公共交通は甲府駅・竜王・芦安駐車場から広河原線を利用できます。駐車場ごとにバス停までの位置が異なるため、山梨県の芦安地区駐車場案内図で停車場所を確認してください。

奈良田方面から広河原

奈良田側も開運ゲートから広河原まで一般車は入れません。奈良田駐車場でバス・タクシーへ乗り換えます。白峰三山縦走で奈良田へ下山する場合は、下山日の広河原線だけでなく、奈良田から身延駅・下部温泉駅方面への接続まで確認します。

規制・運行の確認順

  1. 山梨県の道路規制情報で、雨量規制と通行可否を確認
  2. 山梨交通で運行日、往復の時刻、最終便を確認
  3. 宿泊する山小屋の営業と予約を確認
  4. 下山口が異なる場合は、奈良田または鳥倉側からの接続を確認

2026年のマイカー規制期間は6月26日〜11月3日、通行可能時間は5時30分〜18時です。規制期間外は道路が冬期閉鎖となり、原則として車両は通行できません。バスやタクシーの利用者には、規制区間1回につき1人300円の協力金が案内されています。

安全に登るためのチェックポイント

環境省は、南アルプスの冬季登山について、急激な気象変化、大雪、雪崩など厳しい自然条件を警告しています。積雪期・残雪期は夏山ルートの説明だけで判断せず、冬山経験と装備を前提にしてください。

周辺の山と位置関係

山標高間ノ岳との関係
北岳3,193m北側。広河原往復では北岳を越えて間ノ岳へ向かいます。
農鳥岳3,026m南側。間ノ岳とともに白峰三山を構成します。
塩見岳3,052m南東側。三峰岳・熊ノ平を経る長期縦走でつながります。
仙丈ヶ岳3,033m北西側。北沢峠を起点とする別山域の計画です。
甲斐駒ヶ岳2,967m北側。北沢峠方面ですが、広河原〜北沢峠は2026年度運休です。

次に登る山の選び方

次の候補こんな人向け間ノ岳との違い
北岳(3,193m)まず広河原からの高所登山と山小屋泊に慣れたい人間ノ岳まで足を延ばさない分、行程に余裕を作りやすい一方、北岳前後の急斜面は残ります。
仙丈ヶ岳(3,033m)南アルプス北部で別の登山口・地形を経験したい人北沢峠起点で、間ノ岳とは交通動線が別です。広河原から北沢峠へは移動できません。
塩見岳(3,052m)長いアプローチと岩稜を含む南アルプス登山へ進みたい人鳥倉側からの往復が一般的で、間ノ岳との連結は長期縦走になります。
甲斐駒ヶ岳(2,967m)花崗岩の急峻な山容と変化ある登りを体験したい人標高は低いものの、ルートによって岩場の技術的負担が変わります。

よくある質問

間ノ岳は日帰りできますか?

広河原からの代表ルートは標準コースタイム16.0時間で、季節運行バスの時刻制約もあります。一般的な計画は2泊3日です。行動時間だけを見て無理に日帰りへ短縮しないでください。

初心者でも登れますか?

登山初心者が最初の高山として選ぶより、標高差の大きい山での小屋泊、岩混じりの登下降、3,000m級稜線での天候判断を経験してからが安全です。まず北岳までの計画で自分のペースを確認し、間ノ岳往復は当日の体調と天候で判断します。

白峰三山縦走はどちら向きがよいですか?

広河原から北岳・間ノ岳・農鳥岳を経て奈良田へ下る計画は組みやすい一方、大門沢の長い下降が最終日に残ります。逆向きは初日の登りが長くなります。体力だけでなく、各日の山小屋と両登山口の交通を比較して決めます。

駐車場から広河原まで車で行けますか?

一般車は広河原まで入れません。芦安または奈良田の指定駐車場に駐車し、路線バスかタクシーへ乗り換えます。雨量規制時は公共交通も通行できないため、当日の道路情報を確認してください。

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公式情報・出典

交通・山小屋・登山道の情報は天候や工事で変わります。上記は2026年10月14日に公式情報を確認した内容です。出発直前に各公式サイトで最新状況を確認してください。