日本百名山

聖岳

聖岳

聖岳(ひじりだけ)は、静岡県と長野県にまたがる標高3,013mの山です。南アルプス南部の大きな山体と、聖平から山頂へ登っていく高低差が特徴です。山頂だけでなく、登山口への移動と小屋泊を含めて組み立てる山で、日数を決める前に「どちらの県から入るか」「登山口まで何で移動するか」を確認しましょう。

2026年11月1日確認:長野県側の便ヶ島〜西沢渡は、災害復旧工事のため当分の間、徒歩も通行できません。また、聖平小屋の2026年営業は9月23日まで(9月22日宿泊分まで)でした。以下の代表行程は、無雪期に通行・宿泊条件が整う場合の計画資料です。現在そのまま利用できる行程を示すものではありません。遠山郷の交通情報・聖平小屋公式案内を登山前にも確認してください。

名称聖岳(前聖岳)
よみひじりだけ
所在地静岡県・長野県
標高3,013m
山系赤石山脈(南アルプス)
種別隆起
分類日本百名山
評価ルート聖岳(聖沢):聖沢登山口から前聖岳を往復
難易度C(A〜Eの5段階)
体力度7/10(10段階)
参考日程2泊3日

C・体力度7は、無雪期・天候良好時の聖沢往復を対象とする評価です。長野県公開の日本百名山グレーディング一覧では、往復の標準コースタイム15.6時間、距離20.8km、累積標高差は上り・下りとも2,640mとされています。登山口より手前の林道歩き、バス・車の移動、休憩は別に見込みます。便ヶ島からの往復や茶臼岳縦走、積雪期へこの評価を一般化しないでください。

聖岳はどんな山?

国土地理院は「聖岳(前聖岳)」の標高を3,013mとしています。西側の前聖岳と東側の奥聖岳からなる山で、山頂南側には砂礫斜面が広がります。山麓から山頂を目指すだけでなく、樹林帯、聖平周辺、森林限界を越えた斜面へと風景が変化する長い行程を楽しむ山です。標高は国土地理院、地形の特徴は静岡市の聖岳南部の解説を参照しています。

聖岳は日本アルプス最南の3,000m峰として紹介されますが、日本全体の最南の3,000m峰という意味ではありません。富士山とは山域も交通条件も異なります。聖岳では高所まで一気に入る交通手段を前提にせず、長い登下降に備えることが大切です。

聖岳の登山時期と季節ごとの見どころ

時期見どころ日程を決める確認事項
夏の小屋営業期聖平の植生や、樹林帯から開けた高山帯への変化を観察します。山頂部では南アルプス南部の山並みが広がります。残雪、橋や登山道の状態、雷雨予報を確認します。花の見頃だけで入山日を決めません。
秋山麓から高山までの色づきの違いや、山体の大きさを感じられる時期です。小屋と送迎の終了・運用変更に注意します。日没が早まり、稜線での冷え込み・凍結も考慮します。
晩秋〜冬・春の残雪期無雪期とは異なる冬山・残雪期の計画が必要です。C・体力度7の前提外です。積雪、強風、雪崩、凍結への対応、避難設備と交通の現況を確認できなければ計画を延期します。

聖平では、シカの採食で変化した植生を守るための取り組みが続けられてきました。環境省の植生保全の紹介は、その背景を知る資料になります。花の種類や量は年・場所により変わります。歩道や木道から観察し、防鹿柵の内側や砂礫斜面へ写真目的で踏み込まないでください。

現在の通行・小屋・送迎情報

項目確認した公式案内登山計画への影響
便ヶ島〜西沢渡遠山郷観光協会の2026年10月14日現在の案内は、災害復旧工事による徒歩通行不可・当分の間の通行止めです。交通情報芝沢ゲートや便ヶ島まで到達できても、そこから聖岳へ直接登る行程は組めません。
聖平小屋2026年7月11日〜9月23日、宿泊は9月22日分までの営業案内です。小屋公式現在は営業期間外です。食事・売店・有人対応をあてにせず、営業再開を確認してから夏山の宿泊計画を立てます。
特種東海フォレストの送迎2026年の定時便の掲載期間は7月11日〜10月12日。10月13日以降は、ロッヂ宿泊予約後に個別打ち合わせと案内されています。送迎案内夏の時刻表を11月の便として使えません。乗車日・乗降地・宿泊条件を運営者に確認します。
営業終了後の聖平の設備今回確認した公式案内から、当日の冬季開放部分・給水・トイレの使用可否までは確定できていません。冬季小屋が確実に利用できることを前提に、宿泊装備や非常時の備えを省かないでください。

聖岳の登山ルート

主要ルートの比較

ルート難易度/体力度公的一覧の標準歩行時間・距離・累積標高差特徴・現在の注意
聖沢登山口〜聖平〜前聖岳往復C/715.6時間/20.8km/登り・下り各2,640m本ページの評価ルート。静岡県側から長い登下降を歩きます。林道・送迎条件は別途確認します。
聖光小屋(便ヶ島)〜前聖岳往復C/612.9時間/18.3km/登り・下り各2,370m過去からのルート比較用です。現在は便ヶ島〜西沢渡が徒歩通行止めで、この往復は利用できません。
聖沢登山口〜聖岳〜茶臼岳〜畑薙大吊橋の縦走C/819.9時間/25.6km/登り3,200m・下り3,380m始点と終点が異なる長い縦走です。茶臼岳側の小屋・登山道・下山後の移動も確認が必要です。

数値は公的グレーディング一覧PDFのルート名に対応する値です。当サイトの実測値ではありません。15.6時間は約15時間36分、12.9時間は約12時間54分、19.9時間は約19時間54分に相当しますが、いずれも休憩や交通を含む旅行全体の所要時間ではありません。奥聖岳への追加往復や、駐車場から登山口までの歩行を含めた数値に読み替えないでください。

登山口・小屋・山頂の位置関係

場所・経由地位置関係と計画上の意味
畑薙・沼平〜聖沢登山口・椹島静岡県側の移動拠点です。聖沢登山口と椹島ロッヂは別の場所なので、どこで車を降り、どこまで歩くかを先に決めます。
聖沢登山口〜聖平小屋沢沿いから高所へ登り、山頂往復の拠点となる聖平へ向かいます。災害による橋・登山道の変化を確認し、地図上の線だけで通行可否を判断しません。
聖平〜小聖岳〜前聖岳山頂へ向かう区間です。樹林帯を離れた上部では風雨の影響が大きく、登りだけでなく同じ斜面を下る時間と余力を残します。
前聖岳〜奥聖岳主峰から東へ進む追加行程です。主峰登頂後の体調と天候、戻る時刻で判断し、標準往復に含まれると考えて時間を省きません。
聖平〜上河内岳・茶臼岳方面南側の縦走路です。聖沢往復の下山路とは異なり、別の小屋・登山口へ向かいます。分岐で予定した方向を照合します。
便ヶ島・西沢渡方面長野県側から聖平方面へ向かう経路ですが、現在は便ヶ島〜西沢渡の通行止めがあります。下山の代替路にも使えません。

聖沢から聖平を拠点に往復する

聖沢ルートは、登山口から聖平までと、聖平から山頂往復を分けて考えると日程を作りやすくなります。登山口の標高1,140mと山頂3,013mの単純な差は1,873mですが、往復全体の累積登高は約2,640mです。途中の高低差が加わるため、山頂との標高差だけで必要な体力を見積もらないでください。

聖平小屋は登山道の崩壊や橋の流出を受け、以前より難易度が上がっている旨を案内しています。小屋の最新情報を確認し、歩行速度を固定して計算せず、足場の悪い区間や混雑で遅れる余地を持たせます。

便ヶ島ルートと茶臼岳方面の縦走

便ヶ島往復は静岡県側と異なる登山口からの経路です。公的一覧では聖沢より短い数値ですが、現在の通行止めを避けて歩けるという意味ではありません。また、茶臼岳方面を回る縦走は、便ヶ島の規制を簡単に迂回する散策路ではありません。日程・宿泊・体力を組み直し、全区間の情報がそろう場合に別計画として検討します。

聖岳の難易度をルート別に考える

観点聖沢往復での負担計画の判断
技術面:C足場の変化、山頂部の砂礫や急斜面、悪天候時の進路確認。長い下りでも足運びを保ち、危険箇所で急がず通過できる経験が必要です。
体力面:7/10標準往復15.6時間、累積登高約2,640m。宿泊荷物の重さも加わります。短い日帰り登山と同じペース配分にせず、連日の行動に慣れてから検討します。
縦走:C・8茶臼岳を含む行程では距離と累積標高差が増えます。聖沢往復と同じ2泊3日で収まると決めず、泊地ごとに区間を積み上げます。
雪・凍結・強風公的評価の前提となる無雪期とは条件が変わります。掲載評価は使えません。技術・装備と現地情報が不足する場合は延期します。

難易度と体力度は別の尺度です。Cは「初心者なら誰でも歩ける」という意味ではなく、体力度7も宿泊すれば負担が小さくなるという意味ではありません。当サイトでは、長時間の山行と宿泊登山を経験し、翌日の下降まで余力を残せる人が、天候とルート条件を確認して計画する山と考えます。これは計画上の編集判断です。

聖岳登山の日程

掲載する参考日程は2泊3日です。聖平に2泊して登頂日を分ける考え方と、椹島に前泊してから聖平へ入る考え方では、送迎条件と各日の歩行量が異なります。泊数だけをそろえるのではなく、乗車資格・登山開始時刻・小屋到着時刻を一続きにして検討します。

無雪期の計画例日ごとの組み立て成立させるための条件
聖平2泊の2泊3日1日目:聖沢登山口→聖平。2日目:前聖岳往復→聖平。3日目:聖沢登山口へ下降。夏季営業・予約と入下山手段が確保できる場合の例です。聖平泊だけでは特種東海フォレスト送迎の対象になりません。
椹島前泊+聖平泊の2泊3日1日目:椹島へ移動しロッヂ泊。2日目:聖沢登山口へ移動し聖平泊。3日目:前聖岳往復後に聖沢へ下降、椹島まで戻る。3日目に山頂往復と長い下山が集中します。帰りの受付・送迎に余裕がなければ、聖平や椹島の宿泊を増やすなど組み直します。
予備日・追加泊を設ける天候による停滞や、登頂日と下山日を分ける行程を検討。泊地の営業・予約が先決です。小屋の空きや冬季開放を無条件にあてにしません。

これらは登山口への交通を確保したうえで使う計画例で、2026年11月時点の実行推奨行程ではありません。特に最終日の山頂往復と長い下降を、早足でバスへ間に合わせる前提にしないでください。奥聖岳を加える場合の時間、駐車場・椹島と聖沢登山口間の徒歩を含む全行程数値は、今回の資料では確定していません。

聖岳登山で利用する山小屋

施設位置・役割公式案内と確認事項
聖平小屋・テント場聖沢往復や茶臼岳方面の縦走拠点。公式施設案内の標高は2,260m。2026年は9月22日宿泊分で夏季宿泊終了。小屋泊は予約制、テント泊は予約不要。食事提供はないため、売店の在庫を前提にせず食料を準備します。宿泊案内
椹島ロッヂ静岡県側の交通・前泊拠点。聖平小屋とは別施設です。宿泊と送迎の条件をまとめて確認します。10月13日以降の送迎は個別打ち合わせの案内です。運営者の送迎案内
聖光小屋長野県側・便ヶ島の拠点。聖平小屋と名前を取り違えないでください。遠山郷の2026年案内は10月12日まで。現在の受入れは要確認です。小屋まで行けても、その先の通行止めは解消されません。遠山郷の施設一覧

聖平小屋の施設案内には小屋前とテント場の水場、別棟のトイレが掲載されています。ただし営業終了後の稼働・凍結や給水の有無を確認したものではありません。小屋内は携帯電話の圏外と案内されているため、連絡先と地図は事前に保存し、現地での通信を前提に計画を変更しないでください。

聖岳の登山口別アクセスと駐車場

方面・拠点アクセスと駐車計画時の確認事項
静岡側:畑薙・沼平運営者のアクセス案内で井川経由などの道路と規制情報を確認します。2026年駐車場案内では夏期臨時駐車場は約200台、開設予定は7月11日〜10月12日。沼平は約20台の案内です。11月に夏期臨時駐車場が利用できると考えないでください。駐車料金・当日の利用可否は別途確認します。ダム堰堤や路肩へ駐車しません。
静岡側:聖沢登山口・椹島一般の路線バスと区別して、特種東海フォレスト送迎の条件を確認します。対象施設に素泊まり以上で1泊以上する人向けで、テント泊のみは対象外です。聖平小屋は同社の対象施設一覧に含まれていません。帰りは対象施設宿泊者も椹島へ徒歩で戻り、受付後に乗車する案内です。
長野側:芝沢ゲート・便ヶ島遠山郷の案内では、一般車は芝沢ゲートまで。駐車約50台、協力金1,000円程度の案内があります。芝沢〜易老渡〜便ヶ島が徒歩通行可能でも、便ヶ島〜西沢渡は通行止めです。聖岳への直接の入下山拠点には使えません。
公共交通・タクシー山麓への季節運行と、林道内の送迎は別に手配します。駅から登山口へ直通する毎日のバスがある前提にしません。利用日の往復運行・予約・乗り継ぎは各事業者に確認します。今季終了後の便・料金・所要時間は未確認です。

特種東海フォレストの2026年案内では、椹島ロッヂ泊の翌朝に送迎で聖岳登山口へ下車する方法が示されています。一方、畑薙から入山する途中下車には期間条件があり、帰りは聖沢登山口で自由に乗れる仕組みではありません。乗降場所を確定し、林道歩きが必要なら登山の歩行時間に加えてください。ロープウェイで登山開始標高を上げるルートではありません。

聖岳とあわせて知りたい周辺の山

山・標高位置関係・特徴次の山選びの考え方
上河内岳・2,803m聖岳の南側、茶臼岳へ向かう縦走で関係する山です。聖岳登頂後の短い寄り道ではありません。泊地と行動時間を別に積み上げます。
茶臼岳・2,604m上河内岳のさらに南側。畑薙大吊橋方面への行程に関わります。往復と縦走を区別し、下山口からの交通も確保します。
赤石岳・3,121m聖岳より北側の3,000m峰です。兎岳方面をつなぐ縦走は負担が大きいため、次の山として別の登山計画から比較します。
悪沢岳・3,141m赤石岳のさらに北側にある荒川東岳です。椹島方面の交通条件を共通して調べられますが、聖岳往復と同じ日程で周回できるとは考えません。
光岳・2,592m聖岳の南西側に位置する日本百名山です。深い樹林帯と長いアプローチを比較したい候補です。便ヶ島の規制と光岳側の通行可否は分けて確認します。

標高と位置関係は国土地理院の山岳一覧を参照しています。聖岳から別の山へ縦走する計画と、次回の登山先として一山ずつ比較する計画を分けると、日程と交通の見落としを減らせます。

聖岳登山で注意したいこと

聖岳登山のよくある質問

聖岳の難易度・体力度・日程は?

聖沢登山口から前聖岳を往復する代表ルートは、難易度C・体力度7/10、参考日程2泊3日です。便ヶ島往復のC・6や、茶臼岳を含む縦走のC・8とは区別します。積雪・凍結時にはこの評価を適用しません。

聖岳は日帰りできますか?

代表ルートは標準歩行時間だけで往復15.6時間あり、さらに登山口への移動と休憩が加わります。当サイトでは日帰りを基本案にせず、小屋営業期の宿泊登山として検討します。短い山行しか経験していない場合は、先に宿泊と連日の行動経験を積むことをおすすめします。

芝沢ゲートから便ヶ島を経て登れますか?

2026年11月1日確認では便ヶ島〜西沢渡が徒歩通行止めです。芝沢ゲートまでの道路や易老渡までの移動が利用できても、聖岳へ直接進める意味ではありません。最新の交通情報を確認してください。

聖平小屋に泊まれば送迎バスに乗れますか?

聖平小屋泊だけでは特種東海フォレストの送迎利用条件を満たしません。同社指定の小屋・ロッヂでの宿泊条件と、乗車日ごとの乗降場所を確認してください。テント泊だけの行程も対象外です。

営業終了後の聖平小屋や水場は使えますか?

当日の冬季開放部分・給水・トイレの稼働までは確認できていません。夏季の施設案内を冬季の利用保証とせず、管理者に確認し、必要な宿泊装備と水を含む計画を立ててください。

前聖岳と奥聖岳はどう違いますか?

本ページで標高3,013m・代表ルートの到達点として扱うのは前聖岳です。奥聖岳はその東側にあり、追加往復は天候と余力で判断します。追加区間の所要時間は今回の資料で確定できていないため、数値は掲載していません。

関連ページ

参考にした公式情報

主な確認日:2026年11月1日。公表された標高・ルート評価・営業案内と、当サイトの日程・経験の目安を区別して編集しています。規制と営業は出発直前にも確認してください。