日本百名山

金峰山

金峰山

金峰山は奥秩父主脈西部に位置し、山頂近くの五丈岩と、富士山・南アルプス・八ヶ岳を望む岩稜景観で知られる標高2,599mの山です。登山口によって負荷が大きく異なり、瑞牆山荘からは長い日帰り登山、大弛峠からは比較的短い稜線歩き、廻り目平からは沢沿いと樹林帯をたどる登山になります。このページでは、原本の評価対象である瑞牆山荘往復を基準に、ルートごとの違いと安全な計画を整理します。

名称金峰山
よみきんぷさん(山梨県側)/きんぽうさん(長野県側)
所在地山梨県甲府市・長野県南佐久郡川上村
標高2,599m
山系奥秩父山塊
種別山岳・花崗岩の岩峰
分類日本百名山
新日本百名山
花の百名山
山梨百名山
評価ルート金峰山(瑞牆山荘)
難易度C(A〜Eの5段階)
体力度4(1〜10の10段階)
日程日帰り

評価の範囲:難易度C・体力度4・日帰りは、瑞牆山荘から富士見平、大日岩、砂払ノ頭を経て金峰山へ往復する無雪期ルートの評価です。大弛峠往復はA・2、廻り目平往復はB・3であり、瑞牆山荘ルートの評価をほかの登山口へ一般化しません。

金峰山の特徴

金峰山の山頂部は山梨県と長野県の県境にあり、森林帯から花崗岩の岩稜へ景観が大きく変わります。西側から近づく瑞牆山荘ルートでは、富士見平から樹林帯を進み、大日岩を経て砂払ノ頭へ出ると展望のよい稜線歩きになります。千代ノ吹上付近は足元が狭く、強風時や凍結時は緊張を伴います。

山頂近くの五丈岩は高さ約15mの花崗岩で、金峰山信仰の本宮とされてきた象徴です。眺める対象として大切にし、岩への登攀や周囲での無理な移動は避けます。山梨県側では「きんぷさん」、長野県側では「きんぽうさん」と呼ばれます。

季節別の見どころ

時期見どころ計画上の注意
5月上旬〜6月新緑、シャクナゲ、残雪後の山景色日陰に残雪や凍結が残る場合があります。チェーンスパイク等の要否を直前確認します。
7月〜8月深い針葉樹林、稜線の展望、長い日照時間午後の雷、暑さ、脱水に注意し、早出します。
9月澄んだ展望と歩きやすい気温朝夕は急に冷えます。防寒着を追加します。
10月紅葉、落葉後の展望霜・初雪・日没の早さに注意します。山小屋や季節バスの営業確認が必要です。
11月〜4月積雪と冬山景観無雪期のC・4評価の対象外です。大弛峠への林道は冬期閉鎖となり、雪山装備と経験が必要です。

紅葉や開花時期は標高・気温・降雪で前後します。見頃だけを目的に出発時刻を遅らせず、瑞牆山荘往復では歩行8時間超に対応できる日照時間を確保します。

2026年10月12日時点の登山・道路情報

山梨県の林道情報では、山梨県側の川上牧丘林道について現在の冬期・気象・工事規制表示はありません。ただし路面の凹凸と落石のおそれがあり、安全速度は20km/hと案内されています。大弛峠へ向かう途中の接続林道には規制がある場合があるため、出発前に県営林道通行規制情報で経路全体を確認してください。

瑞牆山荘側は季節運行の路線バスがありますが、運行日と便数は変わります。廻り目平は川上村振興公社が駐車場ライブ映像を公開しています。道路・バス・駐車状況は同じ登山口でも当日に変わるため、アクセス確認を登山計画の一部にします。

主要ルート比較

ルート公式グレーディングの数値難易度・体力度特徴
瑞牆山荘往復8.2時間、11.3km、累積登り1,130m・下り1,130mC・4富士見平、大日岩、砂払ノ頭、千代ノ吹上を経る長い日帰り。岩稜通過に経験が必要
大弛峠往復4.5時間、8.2km、累積登り370m・下り370mA・2朝日岳を経る稜線ルート。歩行負荷は小さいが、高所・強風・林道アクセスに注意
廻り目平往復6.0時間、12.0km、累積登り1,080m・下り1,080mB・3金峰渓谷から金峰山小屋側へ上がる長野県側ルート。沢沿いと樹林帯が中心
大弛峠→金峰山→瑞牆山荘通しの縦走値は行程・送迎条件で変わるため固定表示しない往復評価の流用不可東から西へ主脈をたどる片道縦走。登山口間の車両回収が必要

数値の読み方:コースタイムは標準歩行時間であり、休憩、山小屋滞在、混雑、写真撮影、交通待ちを含みません。瑞牆山荘往復の8.2時間は8時間12分に相当するため、休憩込みではさらに余裕が必要です。

三つの登山口と山頂の位置関係

西:瑞牆山荘

富士見平から西側稜線へ上がり、大日岩、砂払ノ頭を経て山頂へ向かいます。瑞牆山との分岐を持つため、富士見平が計画の要所です。

東:大弛峠

朝日峠・朝日岳を越えて西へ進みます。標高の高い峠から始まるため歩行負荷は小さめですが、林道が閉まれば登山口へ到達できません。

北:廻り目平

金峰渓谷から南へ入り、金峰山小屋付近で山頂北側へ出ます。山梨県側の岩稜主体ルートとは景観が異なります。

ルート別難易度

瑞牆山荘ルート:難易度C・体力度4

長い樹林帯の登下降に加え、砂払ノ頭から先は露出感のある岩稜です。千代ノ吹上周辺では強風にあおられない姿勢と、岩場を安定して通過する力が必要です。道が濡れている日、残雪・凍結がある日は難度が上がります。日帰りでは速さより、暗くなる前に確実に戻れる時刻管理が重要です。

大弛峠ルート:難易度A・体力度2

最も短く計画しやすいルートですが、「初心者向け」は無装備でよいという意味ではありません。標高2,300mを超える峠から歩き始めるため、低温・風・雷・高度への対応が必要です。大弛峠の駐車場は約30台と案内され、繁忙期は早い時間から混雑します。

廻り目平ルート:難易度B・体力度3

往復12.0kmで、距離は大弛峠より長くなります。沢沿いから森林帯へ進み、金峰山小屋側へ登ります。増水、濡れた岩、分岐の見落としに注意し、キャンプ場利用者やクライマーの多い日は駐車状況も確認します。

日帰りモデルプラン

段階編集上の目安判断ポイント
出発前日の出後できるだけ早く瑞牆山荘を出発8.2時間の標準歩行+休憩+予備時間を日没から逆算
富士見平約50分を一つの目安に到着体調、水分、瑞牆山分岐を確認。遅れが大きければ計画短縮
大日岩〜砂払ノ頭午前中に通過濡れ・残雪・風が強い場合は岩稜へ進まない
金峰山山頂長居せず下山へ午後の雷雲、霧、風、復路時間を確認
瑞牆山荘へ下山明るいうちの帰着を厳守樹林帯では落ち葉・木の根・疲労による転倒に注意

これは8.2時間の公式コースタイムを基にした編集上の行動順で、区間ごとの公式タイム表ではありません。歩行ペースが標準を超える場合は、富士見平小屋泊の1泊2日または大弛峠ルートへの変更を検討してください。

山小屋・テント場

施設位置・役割確認できた情報
富士見平小屋瑞牆山荘から約50分。金峰山・瑞牆山の分岐宿泊、水場、テント場の拠点。テント泊は通年営業・予約不要と公式案内
金峰山小屋山頂北側の山頂近く通常は4月下旬〜11月下旬、冬季は週末と年末年始、3月〜4月中旬は休業。事前確認・予約が必要
大弛小屋大弛峠大弛峠側の前泊・休憩候補。営業日・予約条件は小屋へ直接確認
金峰山荘・廻り目平キャンプ場廻り目平登山口宿泊・キャンプ・食事の拠点。川上村振興公社が運営

小屋の水、食事、売店、トイレは時期や天候で利用条件が変わります。日帰りでも営業施設だけに依存せず、必要な水・行動食・防寒装備を携行してください。

登山口別アクセス・駐車場

瑞牆山荘

大弛峠

廻り目平

安全情報

周辺の山・次の山選び

山標高金峰山との比較
瑞牆山2,230m同じ瑞牆山荘・富士見平を使える岩山。歩行時間は短い一方、山頂直下の岩場が核心です。
甲武信ヶ岳2,475m奥秩父主脈を東へたどる次の候補。登山口によって長時間行動になります。
大菩薩嶺2,057m高所道路を使う日帰り計画を組みやすく、金峰山・大弛峠ルートの前段階に向きます。
八ヶ岳2,899m(赤岳)金峰山から望める代表的山域。赤岳は岩稜要素が増え、より高い技術と判断が必要です。
雲取山2,017m奥秩父東部の長距離型登山。標高より歩行時間と標高差の管理が中心です。
両神山1,723m鎖場を含むルートがあり、金峰山とは異なる岩場対応が必要です。

初めての奥秩父であれば、大菩薩嶺や金峰山・大弛峠往復で高所の行動に慣れ、次に瑞牆山、金峰山・瑞牆山荘往復、甲武信ヶ岳へ進む順が一案です。これは編集上の目安で、各ルートの積雪・体調・経験を優先してください。

よくある質問

金峰山は初心者でも登れますか?

大弛峠往復は難易度A・体力度2で比較的計画しやすい一方、瑞牆山荘往復は難易度C・体力度4です。初めての場合は無雪期の大弛峠から始め、長時間歩行と岩稜経験を積んでから瑞牆山荘ルートを検討します。

瑞牆山と金峰山を1日で両方登れますか?

両山を同日に往復すると非常に長い行程になります。一般的には富士見平小屋・テント場を使った1泊2日で分ける方が安全です。日帰りで無理に詰め込まず、どちらか一座に絞ります。

五丈岩には登れますか?

五丈岩は金峰山信仰の象徴で、転落の危険もあります。通常の登山計画では登攀対象にせず、登山道・山頂の安全な場所から見学します。

10月でも日帰りできますか?

日照時間が短く、霜・凍結・初雪の可能性があります。早出し、防寒具と滑り止めの要否を確認します。8.2時間の瑞牆山荘往復が日没前に収まらない場合は、宿泊または大弛峠ルートへ変更します。

公共交通ならどの登山口が便利ですか?

瑞牆山荘は韮崎駅から季節バス、大弛峠は塩山駅から予約制交通が案内されています。便数・運行日は時期で変わるため、往路と復路を同時に確認してください。廻り目平は前泊を組み合わせる方が現実的です。

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公式情報・出典

登山道、林道、バス、駐車場、山小屋は天候・災害・季節で変更されます。出発前日と当日朝に、管理者・交通事業者の最新情報を再確認してください。